いろいろ情報

それは化石の発掘のように…写真から迫る西郷隆盛 本当の”顔”

西郷隆盛といえば、坂本龍馬や伊藤博文などと並ぶ、明治維新の有名人。薩摩藩を動かし、薩長同盟や江戸無血開城に功績のあった、現代日本の基礎となった偉人の一人です。
その隆盛は、どんな顔をしていたのか? 教科書やネットには、いかにも薩摩隼人らしい、ガッシリとした屈強そうな肖像が載っています。日本の夜明けを切り開いた「西郷どん」にふさわしい容貌です。

 

ですが、それは、本当に西郷隆盛の顔なのでしょうか?

続きを読む

東電OL殺人事件が歌舞伎に!? 小田切しん平が魅せる戯曲の力

東日本大震災や東電女子社員殺人事件といった現代日本の重大事件を歌舞伎の題材とする。そんなことが可能なのか? 『小田切しん平 劇作集』では、それを実行しています。そして、その手法には前例があります。江戸時代元禄期に起きた赤穂事件を題材として、室町初期の物語として制作された『仮名手本忠臣蔵』です。直接、大名の醜聞を取り上げることを禁じられた時代で、文学の力によってマスメディアと社会批評の役割を果たした作品です。戯曲には、このような力があります。

 

小説、漫画、映画、アニメ……。「物語」を伝える媒体はさまざまです。その中で、「戯曲」という形式は、なじみのない人も多いかもしれません。有名な戯曲としては、やはりシェークスピアが挙げられるでしょう。ギリシア悲劇なども、よく知られています。そうした名作を読むと、台詞とト書きだけで構成された作品に、奥の深い物語の世界が広がっていることがわかります。戯曲もまた小説や映画に劣らない、人の心や時代を伝える表現の形式なのです。

 

 

180409_odagirishinpei_gekisakushuu001_cover_or

立ち読みへ

作品詳細ページへ

続きを読む

想像つかないぞ! “8K”体験 NHK技研公開 5月24日から

たまには本を離れたお話もしましょう、ということで、NHK放送技術研究所による研究成果の一般公開のお知らせです。注目は技研講堂8Kシアターでのバレエ、スポーツ、音楽コンテンツの上映です。
 
第72回 技研公開 2018年5月24日(木)〜27日(日) 4日間
「よりリアルに、スマートに、あなたとつながる」
NHK放送技術研究所(東京・世田谷区砧)

 

続きを読む

94歳の歌舞伎ファンが出版! 50年にわたる観劇の記録

今回ご紹介するのは、山田凉子著『珠玉天王寺屋――五世中村富十郎』。

歌舞伎役者といえば中村勘三郎や市川海老蔵といった有名人がいますが、その芸の巧みさにおいて、中村富十郎を忘れてはならないでしょう。本作は、彼の舞台をずっと追い続けた観劇記録です。

 

tennojiya

立ち読みへ

作品詳細ページへ

続きを読む

教育はすぐに成果など現れない

学校の先生のことをみんなよくは言わない。最近はとくにどぎつい。私も当時はそんな一人でもあったかもしれない。申し訳ないとつくづく思う。というのも、今になってわかったことがあります。お話ししたい。

 

私は東京の品川区にある都立高校に通っていた。担任は土方俊彦という英語の先生でした。先生はよく教科書から離れて本を読めと薄い英語のテキストを紹介した。サイドストーリーだと。私が読んだのは『Shooting an Elephant』と表紙に書いてあった。G・オーウェルの『象を撃つ』という名作だ。当時は何もわからない少年にすぎない頃であったから、深く考えることもなく題名のわかりやすいものを手に取ったわけだ。不思議というかラッキーだったというべきか私は『象を撃つ』を英文で読んだのです。その上に簡単な感想まで言った。考えられない稀有なる出来事でした。先生は見たこともない笑顔で私を見た。そしてロクでもない戯言の私の感想を聞いて頷いてくれた。もう一冊薄っぺらい英語のテキストを先生は私に渡した。これを読めと。そこに“John Steinbeck”と書いてあったことははっきりと記憶にあります。でもなんという題名の本であったか思い出せない。たしか……『人々を率いる者』だったか『???の少年時代』だったか……アメリカの内陸地、遠くに高い連山。つづく山々を見て少年は育つ。あの山の向こうに何があるのかといつも思いながら少年は成長し、ついに山の向こうへと旅立っていく……という話だったと思うが確かではない。読みきっていなかったのかも。スタインベックの名前とも映画『怒りの葡萄』の原作者ぐらいの関わりしかその後もなかった。

 

fighting_elegy_1-12

私の高校、東京都立八潮高校。戦前は府立第八高等女学校、その時代からの校舎だった古風な雰囲気から、鈴木清順監督の映画『けんかえれじい』のロケに使われて、「岡山第二中学校」にされてしまっていた。

 

続きを読む

片岡エッセイ新シリーズ「片岡義男の書評」4月6日より開始

片岡義男.comでは、700編以上のエッセイを無料で公開しています。月・水・金には、新しいエッセイが公開されています。

 

https://kataokayoshio.com/essay

 

春を迎え、学校や会社で新しい生活が始まる季節に、片岡エッセイも新たなシリーズに突入します。4月6日からは、「片岡義男の書評」が始まります。『週刊朝日』に掲載されている、日本の書籍を1冊ずつ取り上げた書評です。

続きを読む

いろいろと表紙を考える

「定年」という言葉を見ない日、聞かない日はない、そう言っていいくらい流行っている。そんな言い方をして大変申し訳ない。ごめんなさい……だが、「定年」もダイエットのように本の商売種になっているように見えて仕方がない、人の苦境をながめて。こんな本と私たちが出版する「定年」の本は同じであって欲しくない。そう思って一生懸命考えをめぐらした。イラストレーターのヘロシナキャメラにお願いすることになったのも、彼が持っている何かしたたかな心根の強さに応援を頼もうとしたからだ。ヘロシナキャメラは私たちの意見に耳を傾けてくれた。そして人生は測量のようなものだろうという私たちの結論をまとめてくれたのだ。ラフが上がってきた。一人の男が棒を持って立っている。棒には年代という目盛りが刻まれている。レンズを覗く後ろ姿は妻らしき女性がいる。手を動かしあっち、こっちと指図している。

続きを読む

Romancer作家へ熱いエール! 作詞家・阿久悠の歩んだ道

Romancerをお使いのみなさまに、朗報です。
去る3月1日(木)よりRomancer Cafeの人気連載『阿久悠と歌謡曲の時代』第1部20回分のバックナンバーを特別公開しました。Romancerに登録いただいているメールアドレス/パスワードで、特設サイトからお読みいただけます。4月2日(月)までです。

 

特設サイトはこちら

https://romancer.voyager.co.jp/cafe/back-number_01

続きを読む

若山富三郎さんのマイ・ラスト・ソング

テレビの黄金期、ドラマの演出家として活躍した久世光彦さん。彼はその晩年に『マイ・ラスト・ソング〜あなたは最後に何を聴きたいか』というエッセイを書いています。その中に俳優の若山富三郎さんの話があります。若山さんは亡くなる二日前、勝新太郎さんと京都のクラブへ行き、最後に「時の過ぎゆくままに」を歌ったそうです。この歌は若山富三郎さんが出演したドラマ「悪魔のようなあいつ」の主題歌で、作詞は阿久悠さんです。

続きを読む

3月23日 球春到来!阿久悠さん再び輝く

2018年3月23日、第90回記念選抜高校野球大会が開幕します。第90回大会の入場行進曲は阿久悠さん作詞、谷村新司さん作曲の『今ありて』です。この歌は1993年に発表され、大会歌として開会式や閉会式で歌われています。行進曲となるのは1993年以来25年ぶり2回目のことだそうです。
 
日本高等学校野球連盟ホームページ

続きを読む

水田に苗を植えるんだ

泥だらけになって……田植えにはまだ早い桜の開花を待つ季節ですが、こんなメッセージをお送りしたい。

 

NASAの宇宙探査機ボイジャーは、打ち上げられて41年を経過し、地球から126億キロの遠きにいたり、今なお信号を送り続けています。1977年にほぼ時を同じくして打ち上げられた2号と1号のボイジャーは、太陽系の果て、冥王星の軌道外を航行しながら、時おりバッハやモーツアルト、それに日本の尺八奏者・山口五郎の音楽を金属板レコードから流しているようです。太陽系外での知的生命体との遭遇を求めて走っているのかと思うと感じ入るものがあります。私たちの会社ボイジャーはこの宇宙探査機からとられたものです。なぜそう命名したのか今にしてみれば、しんえんさに背筋がのびます。これは例えこじつけであろうとも、私たちがたどった道筋とダブらせて申し上げておきたいことです。以下は、私たちの会社案内によく添付する説明のひとくだりです。

続きを読む

ほんのちょっとしたところから

東京の山手線恵比寿駅で『第三の男』のテーマ曲がよく流れています。理由は単に駅に隣接するビール会社のCMにこの曲が使われたからだといいます。ご存知の方は多いことでしょう。キャロル・リード監督、映画『第三の男』について、片岡義男.comに興味深いエッセイが公開されています。題して「第三の男を、やっとこうして楽しんだ」(2018/3/14)。

続きを読む

今も昔も、私たちは原子力について何も知らない

3月11日が今年もまたやってきます。2011年、私たちを襲った大地震と津波。原発・放射能という言葉を気にかける人も少なくないのではないでしょうか。

 

原子核工学はわずか70年前に誕生しました。その間、多くの科学者・技術者たちが原子核に秘められたエネルギーの研究に努めました。私たちの今の生活は、彼らの成功と失敗の上に成り立っています。原子力発電による電力の供給はもちろん、放射線は病気の診断、治療に欠かすことはできません。

 

3.11以降、原子力に対するイメージが変わったように感じませんか? 過剰な演出を見聞きすることに慣れてしまうと、正しい判断はくだせません。どうやって原子力と私たちの未来を想像すれば良いのでしょう? そのヒントがこれから紹介する本に描かれています。

続きを読む

「NovelJam 2018」グランプリ授賞式のお知らせ

2018年3月26日に、合宿形式で行われた日本独立作家同盟主催の出版創作イベント「NovelJam 2018」のグランプリ授賞式&審査員トークセッションが開催されます。

 

「NovelJam」は著者・編集者・デザイナーがチームを組み、即興による出版創作を体験するイベントです。ボイジャーをはじめ、日本独立作家同盟を応援する企業が協賛しています。

 

著者はテーマとなる言葉をヒントに小説を書き、編集者とデザイナーが「本」にします。最終的には電子本で販売するところまで行います。2018年のテーマは「平成」で、2月10日〜12日に行われ、2泊3日の合宿で16作品が生まれました。

 

続きを読む

家族の思い出こもる短篇集 母・栗本薫との日々が蘇る

『グイン・サーガ』、『小説道場』の栗本薫・中島梓。その夫である元S-Fマガジン編集長・今岡清が思い出深い作品を選び、一篇ごとに解説をつけた『手間のかかる姫君――夫、今岡清が選ぶ栗本薫短篇集』が2月20日に発売されました。本作には栗本薫の唯一のマンガ作品「日々是好日」が収録され、その登場人物・D介君がこの記事を書きました。一家総出演で妻の、母の思い出を語ります。

 

wp_cover

 

作品詳細はこちら

Kindleストアなどでもお買い求めできます

続きを読む

西牟田靖 著 デジタル版「本で床は抜けるのか」について

この作品は書籍として、本の雑誌社から2015年3月発売されました。価格は1600円(税別)。そして、今年3月23日に中央公論新社から文庫本、価格800円(税別)で発売が行われる予定です。文庫化に際して中央公論新社は電子書籍の発売も行うとのことです。

 

西牟田靖 著「本で床は抜けるのか」は、Web雑誌・マガジン航において2012年4月17日から2014年7月10日まで連載が行われました。Web雑誌・マガジン航は、当時ボイジャーの100%支援のもとに活動・運営していたこともあり、単行本化される際にデジタル出版はボイジャーから販売されることになりました。デジタル出版の価格は、単行本の売上への心配から低く設定することはできず1200円(税別)とし、2015年6月18日発売開始いたしました。

 

続きを読む

「平野甲賀と晶文社展」開催中 〜3月17日(土)まで

日本有数のブックデザイナー平野甲賀さんの展覧会が東京銀座にあるギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中です。〜3月17日(土)まで。

 

ギンザ・グラフィック・ギャラリー
第364回企画展 平野甲賀と晶文社展
2018年01月22日(月)〜03月17日(土)
日曜・祝日休館/入場無料

 

2月16日には、トークイベント「甲賀さんの本について話そう」がおこなわれます。登壇する方は鳥海修さんと日下潤一さんです。お申し込みは以下のページから。
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/jp/00000713

続きを読む

コーヒーが飲みたくなる本

2017年、コーヒーの話題で一番印象的だったものがある。群馬県桐生市に住む発達障害の15歳の少年が、自宅でコーヒーの焙煎ビジネスを始めたというものだ。彼はアスペルガー症候群だった。学校生活は苦労だらけだったらしいが、彼には家族が驚くほどの鋭い味覚と嗅覚があった。それがコーヒーを吟味する能力としてビジネスにつながったわけだ。

 

この話題は5月ごろから新聞に出始めた。秋ごろはテレビでも紹介され、年末にはKADOKAWA発行の本となった。秋以降はKADOKAWAが仕掛けたのだろうか。それとも最初からか。ともあれ、アマゾンのレビュー☆5つ、売れ筋で1700位、社会福祉ジャンルでは第3位と評判はいいようだ。

 

『15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることから ぼくにしかできないことへ 』
著者:岩野 響
発行:KADOKAWA
http://amzn.asia/g4C1QHy

続きを読む

ひそやかなブーム!『木で軍艦をつくった男』

ジオラマやモデルミニチュアのマニアの間で『木で軍艦をつくった男』という本がひそやかなブームとなっています。

 

■木で軍艦をつくった男

https://store.voyager.co.jp/special/kidegun

 

その「男」とは、映画、テレビの黄金期に活躍した美術監督、近藤司さんです。世界的な映画監督である黒澤明に「誰や!こんなことやったの」と豪快な度胸とひらめきを認められ、1967年、ハリウッド映画『トラ・トラ・トラ!』に美術チーフとして参加します。

続きを読む

SF小説の視点からAIを考えるトークイベント開催(2018/1/27 東京・渋谷)

SF作家・藤井太洋さんと、元S-Fマガジン編集長・今岡清さんが「AIが書いた小説は面白い?」をテーマに対談を行います。お二人のファンの方をはじめ、AIと現代社会に興味にある方はぜひ、お申し込みください。

 

藤井太洋さんは処女作『Gene Mapper』をセルフパブリッシングし、注目を集め、その後、早川書房より代表作『Gene Mapper -full build-』『オービタル・クラウド』(日本SF大賞受賞)等を出版した気鋭の作家。

 

今岡清さんは亡き作家栗本薫をして、これほど新人をうまく育てる編集者はいないと言わしめた編集者です。現在は絶版・単行本化されなかった作品の電子化プロジェクトも推進しています。

 

▽栗本薫未刊行作品 電子本シリーズ▽

https://store.voyager.co.jp/special/kurimoto

 

その二人がAIをどんな風に語るのか、いまから楽しみです。

続きを読む

1 7 8 9 10 11 21