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2024年3月11日
クリストファー・ノーラン監督の映画『オッペンハイマー』がアカデミー賞(作品賞・Best Picture含め7部門)を勝ち取った。「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマー。2006年ピュリッツァー賞を受賞したカイ・バードとマーティン・シャーウィンによるノンフィクション「『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」をベースに映画はつくられた。原爆の栄光とそれをつくり出した本人がたどる最期を見ることは、私たちの「今」に強い警鐘を鳴らすことだ。
ボイジャーは、実戦での原爆投下50年の1995年、ジョン・エルス監督のドキュメンタリー映画『The Day After Trinity』を軸にしたデジタル出版(CD-ROM)の製作をした。日本語版は翌年『ヒロシマ・ナガサキのまえに』として出版された。その後、諸般の事情によりドキュメンタリー映画部分が削除されてしまったが、関連する写真、インタビュー、資料はそのまま出版・公開が継続されている。この機会に、原爆投下の前に何があったのかを見届けていただきたい。
Trinity実験 1945年7月16日 爆破後 0.016秒(添付写真資料より)
1995年の時点で、デジタル出版がこのように展開されていたことを振り返っていただきたい。多くの人たちがコンピュータのスクリーン上に〝本〟を読むことを否定する時代だった。もし、そのネガティブな勢いに屈していたならば、私たちは今『ヒロシマ・ナガサキのまえに』を見ることはできなかっただろう。どんな苦心をしてきたのか、その記録も残っている。ご参考として閲覧していただきたいと思います。
『小さなメディアの堅固な勇気』