「ライブラリ」はずるい言葉?

パシフィコ横浜で、2015年11月10日〜12日の3日間、図書館総合展(http://www.libraryfair.jp)が開催されています。

この展示会はさしずめ図書館のテーマパーク。めったに一般人の目には触れない図書館のリアルな裏側に触れることができます。

 

例えば、ハンドルを回すだけで楽々と移動できる本棚、古い酸性紙の本を長持ちさせるサービス、本からホコリを払う装置などの実物を見ることができます。図書館では本だけでなく、こんなモノも買われているのです。

 

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●図書消毒器 Happy Clean
ページをUV消毒、消臭。なおかつ本の下から風をあててホコリやフケなどを吹き払う。

 

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●読書通帳機mini
読書記録を通帳型ノートに記録するシステム。

新型のminiは、43cm高 35kgとぐっと小型に改良されている。

 

展示ブースではフォーラムも開催されています。初日に本屋B&Bのブースで行われた鷹野凌氏(NPO法人日本独立作家同盟理事長)と花田一郎氏(大日本印刷株式会社)のトークイベント「『図書館』にまつわる権利や法律もきちんと知りたい」に参加しました。

 

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(左:鷹野凌氏、右:花田一郎氏)

 

花田氏はトークの最後「ライブラリは都合のいい言葉だ」「ライブラリは枯れた言葉だから、力のある人はそれを都合よく使うことがある。そこはちゃんと自分たちが考えて、将来どういう図書館が理想なのか、みんなで作っていかなければならない」と発言しました。

 

この言葉の主旨を考えてみました。枯れた言葉には、具体的なイメージを喚起する力がやどっている。例えば、ライブラリと聞けば、無料で本を貸し出すところ、勉強するところなど、様々なイメージを思い浮かべるだろう。力のある人はそのイメージを使うのがとてもうまい。適当な提案にすり替えることもあるかもしれない。だから、良い図書館を欲しいと思うなら、人任せにせず自分たちの意思で良い図書館を作って行こう、ということだと思います。

 

都合がいい、JPOP風に言えば「ずるい女」といったところかもしれませんが、気になる言葉でした。

 

【その他ブースの風景をピックアップ】

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●TRC-DL 電子図書館
図書館流通センターが推進する電子図書館。着々、導入館増加中。

 

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●図書館検索サービス カーリル
借りる→カーリルと駄洒落を発展。

オープンソースのアピールのため、濃い口のウスターソースをボトルでサービス。