2015年10月8日韓国 paju bookcity が主催した編集者のためのセミナーにおいて、Craig Modは講演を行った。ちょうど彼の著書である『ぼくらの時代の本』の韓国語版(マウンサンチェク発行)が出版されることもあり、韓国の若き出版人へ直接に語る機会をえたことは好機であったと言えるだろう。
Craig Modが語ったことは、詳細に記録としてここに皆様へお届けしたので、お読みいただければいいと思う。一言つけ加えておくことがあるとすれば、最近の彼の言動には一種のよび戻しのようにも感じられる旧メディアに対する思い入れが多いことだ。ここでの場合、本のもつ確かさとか、見えない部分についての入念な配慮を施す姿勢への敬意を限りなく語る。彼が余白を語るのはその象徴ともいえるだろう。
メディアはデジタルによって激しく変動を余儀なくされたことは事実だ。一種の「殴り込み」がひと段落した時に、その先頭をヤンチャに引っ張った元気世代がしばしの黙考を経ている最中というように受け取れる。このジグザグこそ頼もしい未来への息吹だと感じる。突き進み、考え、そしてまた歩き、進み始める。Craig Modにある行動の典型を日本の若者も学び取ってほしい。やらなきゃダメなんだ、そしてよく考えなきゃまずい。
韓国での数日を一緒に過ごしたのち、Craig Modはミャンマーへ旅立った。ここで何ヶ月が農業プロジェクトの評価システムの設計に加わるのだと話していた。すでにfacebookなどでその一端の情報が届けらえている。
私たちは本だ本だと頑なにそこにこだわる姿から解放されることを願っている。今までの本から離れた次元の異なる本への道を模索したい、そのためにデジタルが担えること、助けてくれることを期待し見つめていたい。
〈天井まで伸びる本棚が続くカンファレンス会場への入口
招聘外国人講師たちが行く〉
〈サインに応えるCraig Mod氏〉