乳仏観音 相生五丁目

乳仏観音 相生五丁目

タイトル

乳仏観音 相生五丁目

ジャンル

書籍/その他

著者

清水義男

公開日

2026年09月07日

更新日

2026年09月07日

作品紹介

貧困と干害で母乳が出ず嘆く母親の前に、乳房を抱えた観音様が現れる。その夜、母乳が溢れ出て赤子は命を救われた。この慈悲の御利益は広く伝わり、多くの女性から授乳や乳の病を癒やす仏として篤く信仰された。

作者からの言葉

貧困や飢えに苦しみ、我が子を生かす術を失いかけた母親の悲痛な叫びと、それに寄り添う観音様の深い慈悲を描いた、温かくも切実な民話です。親を亡くした幼い姉弟を救う別説も含め、医療や食糧に乏しかった過酷な時代背景の中で、「子どもを何としても生かしたい」という人々の切なる祈りがこの伝承を生んだのだと感じます。
解説にもある通り、石仏が手にする蓮の蕾(未敷蓮華)を「乳房」に見立てた人々の純粋な信仰心と観察眼には深く心を動かされます。かつて多くの母親たちの涙を受け止め、救いとなってきた観音様が、今も穏やかな笑みをたたえて町の一隅に立ち続けていることに、地域に息づく祈りと歴史の尊さを実感します。

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