7割思考

7割思考

タイトル

7割思考

ジャンル

書籍/その他

著者

今泉 登紀子

公開日

2025年07月27日

更新日

2025年08月14日

作品紹介

『7割思考』
本書は、30代後半から40代の働き盛り世代、特に責任の重さと役割の多さに押しつぶされがちな世代に向けて、「7割思考」という新しい生き方の提案を行うものである。7割思考とは、全力を尽くすことをやめるという意味ではなく、自分の余力を把握し、使い果たす前に止まるための判断基準である。完璧を求める「100点思考」や、常に全力を出すべきだという“べき論”から距離を置き、余裕と持続可能性を保ちながら日常をまわす知恵だ。
序章では、社会全体が急速に変化するVUCAの時代において、価値観や「当たり前」の前提が揺らいでいる現状を示す。ミドルクライシスの世代は、若手でもなく高齢でもない中間層として、職場では決定や判断を求められ、家庭では家計や子育て、親のサポートといった多重の責任を負う。その結果、心の余裕や回復力が静かに削られていく。こうした状況を変える第一歩が、7割でまわす思考の導入である。
第1章では、私たちの多くが抱える「べき論」の根強さを明らかにする。完璧であるべき、常に頑張るべき、弱音を吐くべきではない──こうした無意識の前提が、思考の硬直と心身の摩耗を生むことを解説する。
第2章では、「もっと頑張れ」が通用しなくなった背景を扱う。高度経済成長期や終身雇用制度の時代とは異なり、成果主義や不確実性の高い環境下では、単純な努力量の増加が成果に直結しない。無制限の頑張りはむしろ逆効果になり、燃え尽きや判断力の低下を招く。
第3章は「100点思考」が引き起こす摩耗に焦点を当てる。常に完璧を目指す姿勢は、一見美徳に見えるが、長期的には持続性を損ない、柔軟な対応力や人間関係にも悪影響を与える。そこで提案されるのが、べき論から離れ、7割でまわす思考への転換である。
第4章「7割でまわす思考のすすめ」では、完璧を目指さないと決めることの効果を具体的に説明する。優先順位の明確化、余裕の確保、小さな達成感の積み重ねが、持続的なパフォーマンスと心の安定を生む。7割は「手抜き」ではなく「戦略的配分」である。
第5章「人間関係も7割でいい」では、対人関係における適度な距離感と、自分をすり減らさない関わり方を示す。他者の期待や評価に全て応えようとせず、必要十分な関係維持に留めることで、関係性の質と自分の健やかさの両立を目指す。
第6章「7割で整える日常生活」では、生活習慣や時間の使い方を見直し、余力を残す仕組みを日常に組み込む方法を解説する。家事、趣味、情報摂取など、生活のあらゆる領域で「やりすぎない」選択が長期的な安定につながる。
第7章「自分を責めない技術」では、完璧にできない自分を否定するのではなく、結果とプロセスを分けて評価する視点を持つことを提案する。失敗や未達を自己否定に直結させず、成長の糧として扱うことが、持続的な挑戦を可能にする。
第8章では、誰にでも思考の癖があることを前提に、その癖を知れば攻略できるというメッセージを伝える。自分の思考パターンを観察し、必要に応じて軌道修正する柔軟性こそが、7割思考を機能させる鍵となる。
最終的に本書は、「すべてを全力でやること」から「持続可能な力の使い方」へと発想を転換させることを促す。7割思考は、単なる効率化の手段ではなく、自分らしく生きるための土台であり、心身をすり減らさずに人生を続けていくための戦略である。

作者からの言葉

私たちは日々、多くの選択をしながら生きています。けれど、その選択のすべてが「自分の意思」で行われているとは限りません。
忙しさ、プレッシャー、空気、期待、責任──
気づかぬうちに、誰かの価値観や社会の“べき論”に引っ張られ、「なんとなく」や「そうすべきだから」で動いてしまう場面も少なくありません。
この7割思考というテーマは、資格試験のほとんどの合格ラインが7割であることから発想を得ています。
現実社会では7割で合格とみなされることが多いのに、なぜ100点にこだわってしまうのだろう・・・
それは自分を追い詰めることにならないか・・・?
この本では、「7割思考」という言葉を通して、そんな毎日の中に、“本来の自分というあり方を考える瞬間”を作り出す提案をしてきました。
がんばらないことを勧めたのではありません。がんばることの質を、自分で選び直そうという呼びかけです。
そして、「問い」を持つことで、自分の思考と感情を調整しながら進んでいけるという、静かな確信を届けたかったのです。
100点を目指す思考は、強さを生みます。けれど、それは同時に、摩耗や孤独を抱え込むリスクも伴います。7割でまわす思考には、余裕と柔軟さ、そして他者との関係をしなやかに保つ“ゆとり”があります。
これまでの生き方を否定する必要はありません。ただ、少しだけ「問いの目」をもって、今の自分に合った思考のペースを探してみる。それが、自分らしい日常の第一歩になると信じています。
この本が、あなたの「問い」の感度を少しでも高め、日々の選択における“自分らしさ”を育てる支えとなっていただけたら、幸いです。
様々なストレスを抱えやすい現代社会で生きていく上で、自分がゴキゲンであることが一番です。自分の内なる声と向き合い、「自分の機嫌は自分でとる」ようになれば、ゴキゲンに過ごす時間が増えていきます。一人でも多くの方がこの思考に賛同してくださいますように・・・
他人に優しく、そして自分にはもっと優しく
2025年8月 今泉登紀子

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