タイトル
殘照の港ジャンル
書籍/文芸公開日
2024年04月12日更新日
2024年04月12日作品紹介
・殘照の靜けさ。木ずれ、波の音。三笠が闇を吸ひて膨らむ・千年經る藥師如來の掌の生命線の斯くも短し
・父に教はりしセミウヰンザーノツトにて謝辭を述べつるぬばたまの通夜
・百億の稻の寢汗のにほひ立つ眞夏の横て盆地の夜明け
・ベランダに干したるシヤツの影が伸び妻の背中をひらりくすぐる
観ずにはいられない、
聴かずにはいられない、
触れずにはいられない。
どこまでも対象に肉薄していく言葉たち。
著者の世界に対する解像度の高さによって、世界が現実以上の迫力を持って目の前に立ち上がってくる。
過ぎゆく一瞬、今という時を生き、歌うとはこういうことなのだ。
<帯文 佐佐木定綱>
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