タイトル
青空の中の太陽のない罪はジャンル
書籍/小説・文学公開日
2022年06月23日更新日
2022年07月09日作品紹介
地中海の南仏と、対岸のアフリカ・アルジェでの、父・娘・母の交感の物語。著者が普段行っている砂漠緑化活動の場であるサハラ砂漠は、著者の愛する亡国の思い出の中にも存在する。滅んだ文明のその原因を、沈黙の潮騒は、砂をその地中海に積み上げていく。この海には、古の自分の骨が沈んでいる。自分たちの美しい身体の曲線が、彫像され、その上に眠っている。著者は子供の頃に、前世の妻に関して思い出していた。その記憶の覚醒としての場所を、地中海は現していた。「我々に土を掘らせよ」。ヒッタイト文明者は私にそう呟いた。「止めはしないよ」。不正無き現実を、その時、「彼」は愛していた。その幻覚は、ユダヤのパステルカラーに沈んでいった。戦いを選択するか? 自分を選択するか? 死なずとも、そこには許されているであろう自分たちの家族が存在していた。許されるから、愛は継続する。妻は自分の夫のその超人ぶりを呪った。聖母は自分に、空色と海色を、瞳と同じ色に染め上げていった。
コメント(0件)