タイトル
2001年 ついに人は電子の本を読むジャンル
書籍/その他公開日
2021年07月31日更新日
2021年08月01日作品紹介
1997年から2004年まで季刊「本とコンピュータ」という雑誌があった。この一文は、2000年10月10日発行の「本とコンピュータ」14号に掲載されたものである。編集長であった津野海太郎氏は、編集後記で次のように記している——出版における紙本位制はそうかんたんに崩れるものではあるまい。ついさきごろまで、私は何の疑いもなくそう考えていたのだが、「とんでもない、紙本位制はすでに崩れているのですよ」と萩野正昭氏はいう。より正確にいえば、私は今号に掲載された氏の文章をそのように読んだ。今や出版の根っこにあるのは紙にしるされた文字ではなく、デジタル・データという「原液」であり、紙の本も電子の本も、全てがそこからつくられている。このしくみが完全に定着した以上、紙本位制の力は、たしかに事実上、大きく揺らいでしまったというしかないのかもしれない。
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