タイの女は一度泣く NR版

タイの女は一度泣く NR版

タイトル

タイの女は一度泣く NR版

ジャンル

書籍/その他

著者

北川英雄

公開日

2021年07月05日

更新日

2021年11月13日

作品紹介

この作品は、2007年に電子化されました。当時評判だったガラケー携帯で読むためのものです。漫画ではなくテキスト中心の読み物に挑戦したのです。自由にやってみたかったので、自分たちの作品を利用しました。まるで無名の、内容的にも偏ったものでした。けれど、ガラケーの小さな画面に16mmフィルムの一コマが表示され、それに続くテキストとの調和が私たちにデジタル出版の素晴らしさを伝えてきたのです。その後、Romancerが作られてしばらくした2014年に再試作されました。すでに世界はガラケーを離れたiPhone、Androidに時代になっていました。今回“NR Editor”という新しいWeb出版ツールで、この作品は3度目のチャレンジがされました。ある意味で、ボイジャーの電子出版の歴史を歩いた作品となりました。

作者からの言葉

静かな村を記録することは人の目を平穏ななかに追いやってしまう。一方で現実は牙をむいている。平穏ななかに死という現実を対峙させたかった私たちは子どもの死を撮影しようとした。そして偶然にも私たちはその機会に出あってしまった。カメラは非情に小児病院での幼児の死のすべてを記録した。一人の子どもの死にたちあって、すでに夜があけていた。何ともいえない落胆と疲労感のなかに撤収する私たちは、その時、病院の中庭にある大木に目を留めた。根方に無数にぶら下がった人形が樹木の木肌と反目する原色をはなっていた。このたくさんの人形の一体どれだけが身代わりとなってくれたのだろうか、人の願いの空しさが無言のまま朝日にさらされていた。このシーンは映画には使用されなかった。未消化のまま映画に残されることを良しとしない判断だった。あるいは小さな映画にとってあまりにも大きな現実だったのかもしれない。

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