タイトル
パンセジャンル
書籍/エッセイ公開日
2021年03月07日更新日
2022年08月17日作品紹介
「全知で全能の神が罪を憎むというのは、少しも理屈にかなわない。もし本当に罪を憎んでいるのなら、それは全知で全能であるかゆえに、初めから剣を取る手を思いとどまらせることもできるだろう。だとしたら犯した後にそれを罰するというような、迂遠なやり方が選ばれるはずはないのだ。
全知で全能の神が治める世界に、現にそれが行われている以上、殺人も破壊も罪ではない。少なくとも神の道にもとる、悪逆ではありえない……。」
そんな傍目には劇毒のような「道理」を、一つずつ積み上げながら、やさしく解き明かす逆説の世界観。
それは悪魔的であると同時に、とてつもなく甘美な、「真実」だった。――
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