タイトル
共存在の居場所:コロナによって生まれる世界
作品紹介
近代社会は個人をもとにして組み立てられた「単存在社会」ですが、新型コロナ(正しくは、感染症名:COVID-19、ウイルス名:SARS-CoV-2 ですが、文中では、分かりやすさを優先して、「新型コロナ」で統一させていただきます。)は、この社会を人の存在のつながりをもとに組み立てられる「共存在社会」に変えていくはたらきをしていくと、私は考えています。18世紀のドルトンの頃は、原子をもとにして物質の性質を考えてきましたが、それがやがて分子をもとに考えるようになったことに似ているかも知れません。
この単存在から共存在へという変化によっておきる大きなできごとは、社会を動かしていく原理が競争原理から共存在原理へ変わることだと思います。したがって、競争原理をもとにしている資本主義経済は大きく変化をしていくと思います。新型コロナの影響を受けて、現在、非常に苦労されている方々の参考に少しでもなればよいという思いから、私なりの考えの手元にあるまとめをとりあえず、今回、電子出版の形で出版させていただくことにしました。
(まえがき、より)
お問い合わせは NPO法人 場の研究所ホームページ( http://www.banokenkyujo.org )「お問い合わせ」からご連絡ください。
作者からの言葉
電子書籍「共存在の居場所:コロナによって生まれる世界 清水博」公開に際して
-各人がそれぞれの想いで、それぞれの問題に取り組んできたことによって生まれた「共存在の居場所」-
場の研究所が、これまで行ってきた「勉強会」や「哲学カフェ」は残念ながら3月以降開催できていません。場の研究所の目的は、「人々が互いの違いを重んじながら助け合って生きていける、そのような「場」が生み出され、広まること…」です。このような「場」が必要だという思いは、世界には未来の可能性があって欲しいという気持ちにもつながっています。そのためにこその学習の継続であり、「勉強会」や「哲学カフェ」の場での学習を今後どのように継続していくかは大きな課題です。しかし、集まれない今、何ができるのでしょうか。
私たちが試した方法は、清水博(場の研究所 所長)が作成した資料を「出席者」がそれぞれ各自の自宅など別の場所で読み、「出席者」の間に限定されたメーリングリストによって、各自が自分の意見なり感想なりを、一定のタイミングを合わせて、何度か送り合う形によって「勉強会」を進行させていく「ネットを介した勉強会」を開くことでした。予備的な試行の結果、「出席者」の間に、一般的なオンラインミーティングの手法(ビデオ会議のような)では得られないようなつながり感が得られることに気がつきました。
併せて、「共存在」というテーマを共に研究していくことの重要さから、定期的に行われる「ネットを介した勉強会」を補間する意味も含め、ネット上に「共存在研究室」をつくり、常に研究をすすめていくことも計画しています。「共存在の居場所」の原稿は、その出発に使う資料として書かれたものになります。
(「共存在研究室」について詳しく知りたい方は、場の研究所ホームページ「お問い合わせ」より、ご連絡ください。)
この、出発に使う資料である「共存在の居場所」は、清水博がコロナ禍における問題の本質を理論科学者の目で捉え、乗り越えようと生まれたアイデア一つひとつのメモが基礎になっています。元々断片であるメモがまとめられ文章となり「ネットを介した勉強会」のテキストとなりました。
興味深いこととしては、この「ネットを介した勉強会」の実施と清水博による「勉強会」のテキスト制作の循環の中で、新しい場の理論として「歴史的相互誘導合致」(詳しくは書籍本文参照)が生まれてきた、ということをあげておきたいです。
また、「勉強会」が進むにつれ、まとまっていくこの文章を読んでいくに連れ、「もっと広く、たくさんの方に読んでもらいたい」という気持ちが生まれてきました。
その思いと、著者清水の世の中の役に立てれば有り難いという想いと合わさり、電子書籍「共存在の居場所:コロナによって生まれる世界」が生まれました。
このことは、少し長い目でみたとき、離れた場所にいながらも、それぞれの違いを活かしながら共存在することで、創造的な活動はできるのだ、という勇気に繋がるように私は感じました。
電子書籍「共存在の居場所:コロナによって生まれる世界」によって、お読みになったそれぞれの中に、新しい問いかけが、共存在が、生まれることを願います。
また、お読みになった後、更に学習を進めたいと感じられたならば、是非、NPO法人 場の研究所へご連絡ください。
(場の研究所ホームページ「お問い合わせ」より、ご連絡ください。)
(2020年8月21日 場の研究所研究員 こばやしつよし )
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