タイトル
大戦の思い出(前編)ジャンル
書籍/人文科学公開日
2019年06月28日更新日
2019年06月28日作品紹介
この翻訳は、フランスの哲学者アラン(1868-1951)が1937年5月にアルトマン社から刊行した『大戦の思い出』Alain, SOUVENIRS DE GUERREの全訳である。テキストとしては、Alain, Les Passions et la Sagesse (Bibliothèque de la Pléiade), Gallimard, 1960 に所収されているものを使用している。書き手は孤独であるが、アランにもやはり読者の存在が必要であったと思われる。但し、多数の読者を念頭に置く必要はなく、恐らく一人で良かったのであろう。何故ならアランは書いたものが直ちに巷間に流布されることには殆ど関心が無く、その視線は寧ろやがて読まれるであろう将来の多くの読者の方へ向いていたのであり、そのことを確信していたからである。思想とか熟考は時間が長くかかるものであるから、それらが生活や社会において直ちに実を結ぶことは決してないことをアランは熟知していたのである。
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