素敵なシャツに帽子をかぶったこちらのオシャレなおじいさんをご存知でしょうか。
ブックデザイナー/装丁家の平野甲賀さんです。
晶文社を支えた伝説の装丁家で、きっとどこかで甲賀さんのロゴデザインを目にしたことがあるでしょう。
2021年3月22日にご逝去された甲賀さん。ボイジャーとは20年以上の付き合いがありました。製品ロゴや装丁の数々を手がけていただき、2019年4月には自身の著書『平野甲賀100作』(電子版)をボイジャーから刊行しました。
スタッフ一同、大好きだった甲賀さん。
ボイジャーの歩みのとなりには、いつも甲賀さんの描き文字がありました。
本日はみなさんとこれまでの歴史を振り返りたいと思います。
Voyager製品ロゴストーリー
1998年2月 T-Time
デジタルテキストを快適に読むソフト T-Time。エキスパンドブックに続く、パソコンで本を読む新たな体験を追求しました。アルファベット1文字ずつに違う書体。コンセプトを聞いたらば、「T-Timeはいろんな画面に合わせて文字を表示するのだがら、こういう自由なロゴがいいんだよ」と話してくださりました。
2000年6月 ドットブック
2006年7月 ドットプレス
日本語特有の表現に対応した電子書籍のフォーマット ドットブック(.book)。Web上のドットブック製作サービス ドットプレス(.press)では、電子本制作に加えてオンデマンド印刷も提供。リスクの少ない出版、紙でも作品を残す出版に取り組みました。
2009年7月、2018年11月〜 理想書店
ボイジャーの直販ストア 理想書店 用のロゴ。漢字4文字。それぞれをじっと観ていると漢字が絵に見えてきます。理想書店は2009年、2018年と2度オープンしました。2009年にはさいとう・たかを先生の代表作『ゴルゴ13』を配信。2018年には個人作家を応援するストアとして再オープンし、デジタル出版ツールRomancerで制作された作品を販売しています。
2015年7月 片岡義男.com
作家・片岡義男 全著作電子書籍化の公式サイトとしてスタート。1人の作家のあらゆる活動をデジタルで記録しようとする試みで、小説539作品/エッセイ856作品/書評115作品(2022年2月25日時点)を公開中です。
2017年6月 阿久悠と歌謡曲の時代
音楽プロデューサー・佐藤剛による連載。一時代を築いた阿久悠の書く作詞にはある共通点がありました。「朝まで待てない」「懺悔の値打ちもない」「どうにも止まらない」……ない、ない、ない。なにも「ない」ところから作品を作り出す作家のみなさんへのメッセージを投げかけました。
デジタルの本はどうなるか? 白パンフレット
ボイジャーでは、2009年から2016年にかけて年1冊のペースで冊子を作ってきました。カラー冊子は金銭的に制作が厳しかったことから、ゼロックスの白黒コピーで冊子を手作り。その名残から社内では、白パンフの愛称で親しまれています。甲賀さんが題字・装丁を担当しました。
新刊『平野甲賀と2』
デザイン編集工房 horo books さんより『平野甲賀と2』が4月10日より発売予定です。部数限定で発売とのこと。詳細は公式サイトよりご覧ください。
写真:前作『平野甲賀と』より