事実は見えるものだけじゃない

大雨ニュースを見ていました。あの激しい土石流の映像に目が釘付けになりました。こういうものかと一見で分からせられた映像でした。同時に、激流に呑まれた人たちがいたこと、何人かは流れの突き進んだ海上でご遺体の発見だったこと。絶句しました。
 
呑み込まれるか、スマホを廻すか、同じ場所に立ちながら、若干の位置のズレが両者を分けたのでしょう。ほんのわずかな差の中にあるこんなに大き違いを一瞬に理解します。誰もが記録するカメラをもっている時代、記録の方法が文字を書くしかなかった時代との大きな変化を感じます。しかし、映像だろうと文字だろうと、記録を生かすルートを自分で掴んでいるとは言いがたい。何か自分以外のメディアがそれを利用する世界は、かなり、まだまだ、続いていくしかないのか、と、ちょっと弱気が残ります。
 

事実とは見えるものにはなく、見ている人の中にある。
9.11 撮影:Patrick Witty