彼の言葉を 自分に問いかけて

2024年1月16日、『デジタル生存競争』の著者ダグラス・ラシュコフの来日講演全記録が完成いたしました。萩野正昭(ボイジャー創業者)の映像制作後記をご覧ください。


講演の記録映像を本気になって制作してみました。3台+αのビデオカメラで収録し、これを本格映像編集したのです。2023年12月6日、米国から来日したダグラス・ラシュコフの講演をです。相当な辛口のメディア論者だということはわかっていました。彼の新作『デジタル生存競争』の出版も行なっていたので、その辛口がどんなものかは誰よりも予想できていたはずです。実際は……ブッたまげたとはこのことです。予想以上でした。撮っておいてよかったということです。
 


青山にある東京ウィメンズプラザという会場に集まった約150名の聴衆に彼は語りました。激しく、強く、です。現実のリアルな姿を体験したのはここにいた150人に限られています。こんなすごいことを聴けるんなら、もっと多くの人に呼びかけたことでしょう。でも、知ったのは後になってからなのです。あの辛口なスピーチ、そして我々の危機的状況、インターネットは変わり、抽出、監視、制御が役割の中心になりました。これが搾取という一連の設定を備えていたのです。一生懸命作りました。どうぞその有り様を映像で体験してください。クリックして見てください。
 
映像の字幕からは電子本がつくられました。映像からのいいカットを抜き、あるいは関連情報の画像を探して入れています。映像記録と〝本〟が同時に並行して出来上がっていくのです。映像なら、ストップさせ、戻して理解できます。その上に〝本〟があれば、じっくり読み解くこともできます。理解は大幅に広がって行きます。それを僅かな力で成し遂げられる……あゝ、これがデジタル出版というものなのか、実感していただけますよ、きっと。
 

ダグラス・ラシュコフは、この講演の中で次のようなことを言っています——
私がここへ来てボイジャーの歴史を聞くと、それは知的財産からどのようにしてお金を稼いだのかの歴史ではありません。誰でも本をつくり、出版配布できるように、出版の競争条件を平準化するために、より優れたテクノロジーを使用するよう人々を説得してきた話なのです。
 
そして次にこう言ったのです——〝それは革命です〟と。