こんな読み方で、片岡義男を楽しんで

Romancerを使って、制作・公開されている片岡義男.com。Romancerのユーザーの皆さんにも、片岡義男.comの作品を楽しむ読み方を紹介したい。

片岡義男.comに公開されている作品は、2,200以上にもなっている。そのすべてが、よく知られた長編や短編というわけではない。かつて、どこぞの雑誌の片隅に書き残された、ちょっとした文章もあるのだ。それを目にし、読む人なぞ、もはやいないと言われても仕方ない。でも、こつこつとやっている。それが片岡義男.comなのだ。

片岡義男.comのTOPページに並んでいる、こんな作品を一つ読んでみる。『この演奏がいまも聴こえる 戦いの歌はこうして解放されていく』。この作品は今週、新たに片岡義男.comで公開された作品で、今はなきフリーペーパーで連載されていた作品だ。「ハワイ語による原題を片仮名で書くと、『タフワフワイ』。日本でかつて広く知られた題名は『ハワイの戦争の歌』」。

*クリックして作品を読む

聞き馴染みがない曲だったので〝ハワイの戦争の歌〟をセレクトしてGoogle検索してみる。いろいろ出てくる。これを押して、ギターの物悲しきつまびきを聴く。あーなんか聴いたことあるなぁ、と。

Google検索の横には、ChatGPTがハワイの戦争の歌について助太刀するように解釈を表示する。

  1. “Aloha Oe”(アロハ・オエ) – クイーン・リリウオカラニ(Queen Liliuokalani)の作曲
  2. “Pearl Harbor Blues”(パールハーバーブルース) – ジョニー・ウェイト(Johnny Wright)の曲
  3. “Hawaii 78” (ハワイ78) – イズ(Israel Kamakawiwo’ole)が歌った曲

Romancerで作られた本文の最後に『バーニング・ビート』というジャズのLPに触れるところがある。このLPのB面の最後に、『タフワフワイ』が収録されている、とある。そしてジャケットの写真がついている。その写真から「BURNIN’ BEAT」という言葉をApple Musicに入れてみたら、なんとばっちり、その曲が聴ける。

もう誰も振り向くこともない欠片(かけら)のように記された音楽の名前が、今こうして私たちの耳に届いてくる。欠片なんかじゃない。読んでごらんよ、聴いてごらんよ、言葉と音はかくも強かに、私たちの心に響いていくものなんだ。がんばれ、片岡義男.com!