戦争を想う

76回目。終戦のその日がやってきました。敗戦と言わず終わりとして気を穏やかに保ちたいと、数えればとんでもない回数を過ごしてしまいました。すでに戦争をした跡形も、もうどこにもない。最近では佐藤秀峰『特攻の島』にそれを見た記憶ぐらい。この忘却をよしとするのか。

 

8月15日に区切られた直前と直後にひろがる真逆の世界があったことだけでも記憶に留めておきたいとおもいます。今もって命をつなぐ人たちは語ってもらいたい。私たちはすでにデジタルの手段を手にした世代です。記憶を語る意志さえあるならば、どのような支援でも、手を差し伸べていきたいとボイジャーは思っています。過去は語るべき私たちの対象です。

 

戦争の終わる直前の5月、沖縄戦で空母バンカーヒルに突撃した「二人のカミカゼ」がいました。二人はどんなおもいで特攻に出ていったのでしょうか。この二人と深く繋がった人間として私たちは今を生きています。良いとか良くないの話をするのではありません。繋がった一緒の人間として、ただ時代の違いの中に生きていただけだという視点から、今の自分を見る機会をつくってほしいのです。

 

 

マクスウェル・テイラー・ケネディ著『特攻——空母バンカーヒルと二人のカミカゼ』(ハート出版)より

 

 

70度の角度で空母バンカーヒルに降下する特攻機。突入1秒前の写真。小川清という特攻兵が搭乗していた。