デジタルに覆われた世界の中で…

デジタル……そこにあるのが当たり前で、何の疑問もなく毎日使っています。いつどこで生まれたのか、誰がどうやって作ったのかさえよく知らないままに、インターネットの恩恵を受けている。しかしワンクリックで何でも届けてくれる便利な仕組みの起源には、暗い側面もあります。たとえば、現在のコンピュータの基礎を築いた功労者とされる数学者ノイマンは、原子爆弾開発のためのマンハッタン計画に参加し、京都と広島への原爆投下を軍に進言しています。

 

それでも、私たちはデジタルなしでは生きていけません。デジタルという言葉はそもそもどんな意味なのか、対比されるアナログは今の私たちに何をもたらすのか。大江秀房『デジタル世界の光と影』は、コンピュータやAI(人工知能)などのデジタル的なものと、歌舞伎や茶道、酒造りのようなアナログ的なものを共に分析し、複雑な今の世の中を紐解いています。本書の視野の広さは、デジタルの基礎をつくった偉人たちの軌跡から最先端の経済やマスメディアまで、デジタル世界の隅々まで及びます。

 

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