アメリカを知っているのか?

広島を訪問したこともあるオバマ大統領は、2009年にプラハで核兵器のない世界の実現を目指すと発言しました。しかし、その後のアメリカはどうなったでしょう。

 

日本では8月15日は「戦没者を追悼し平和を祈念する日」と定められています。アメリカにも戦没者を追悼する日があります。戦没将兵追悼記念日、英語でMemorial Dayと呼ばれる日です。戦争でアメリカ人も大勢死んでいます。敵も味方も多くの血を流し、家族を失うのが戦争です。けれどなお、戦争は繰り返されています。

 

「Atomic bombs hasten the end of war, August 1945(原爆投下が戦争終結を早めた)」
記念切手を発行しようとしたこともある。

 

 作家・片岡義男は、アメリカについて、その生き方は西部開拓の時代から戦争的だと指摘しています。彼の湾岸戦争に関するエッセイで、アメリカが何をしたかを暴き出します。「犬にでもくれてやれ」というエッセイには、以下のような記述があります。

 

これは石油のためにアメリカが勝手におこなおうとしている戦争だ、という意見は日本のなかでも最初からあった。それは言ってはいけない、とたしなめる意見もあった。現代の世界では許しがたい軍事暴力に対する、自由と民主の世界ぜんたいからの応戦である、ととらえるべきだと説く意見だ。どの意見に加担しようとも、間違いなくはっきりと見えてくるものが、ひとつあったはずだ。西側つまり先進国における生活は、すべて安い石油の上に成立していて、その石油は中東で産出されているという、どうごまかしようもない事実だ。

 

8月中、「アメリカを知っているのか?」というシリーズでみなさまに片岡義男のエッセイをお届けしています。どうぞご一読ください。