強烈な個性を持った道場主・栗本薫(=中島梓)と、情熱と青さを抱えた門弟たち。そして門弟を厳しく審査する門番たちといった登場人物たちによる、小説の書き方指導。
「道場主」と聞いてピンときた方はもうお分かりですね。そう、小説道場です。本日発売の「小説道場ご隠居編」は本編終了後、7年間の沈黙を破ってついに彼女が教鞭をとったものです。
明るく楽しいBLに喝!
甘えた作家志願者や編集者に対して叩きつけられる、厳しくも、愛あるメッセージが電子版で復刻です。
作品詳細はコチラ
創作することの素晴らしさ、怖さ……その身を執筆に全て捧げた栗本薫だからこそ、発せられた言葉の数々。独断と偏見で本編から5つ選んでみました。
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自分の心が本当にふるえたり揺れ動いたりすることなしには、ものを書くということは本当は決してできはしないのだ。
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真剣に生き、書いたあかしは必ず世に残る。1作1作を「懸命」の思いであだやおろそかにされませんように。
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「ひとに評価してもらおう」「その評価をおのれのよりどころにしよう」という考えのある人は、それだけでもう作家には向いていないのを明らかにしていることだと思います。
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面白い小説というものは、読者が決めるのであって、編集部や当人が決めるのではありません。
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「いまはこれが精一杯」という気持があるかぎり、あなたは先に進めないと思います。もっともっと皆さんは絶望すべきです。
様々な投稿小説サイトが乱立し、容易に作品の公開・批評ができる世の中になりました。中にはいきなりの書籍化・映画化なんて夢のような話もあるとか。しかし、それらの作品は本当に世に残り、読者の心にも残っていくのでしょうか? なんのために筆をとるのか、いま一度考えてみてはいかがでしょう? 痛いけれどもためになる道場主の愛のムチを、試しに受けてはみませんか。
▼イラスト|ダ鳥獣戯画