漫画家・佐藤秀峰はなぜアマゾンを訴えたか?


一人の漫画家が弓矢を引いて巨像に立ち向かう……そんな例えがリアルに思える「快挙」とも「暴挙」ともいえる事態の詳細が明らかになっている。キンドル・アンリミティッド=電子本定額読み放題サービスが抱える問題。最初想定した利益予測が大幅に狂い、狂わせた対象作品を勝手にキンドル・アンリミティッドから削除してしまった……実情知るわけもないが、こんなことだろうと勝手に類推していた。これが本当なら、出版社は徹底抗戦だろうに、そんな話は聞こえてこない。例によって自分本位に動いているんだろう。出版社はともかく、読者にとって、作家にとってどうなんだ? そう思っていたところに、詳細を知る情報が入ってきた。

 

きっかけは5月18日、日本マンガ学会著作権部会が主催した講演会に招かれた際の佐藤秀峰氏自身の資料だった。これは『Kindle Unlimitedをめぐる訴訟について』として公開された。Romancer版もありますので、ぜひご覧いただきたい。読者の立場から見れば、「毎月決まったお金を支払えば、ここに置いてある本は読み放題ですよ」と言われて、お金を払ったのに、ある日、利用していた書店の本棚から大量の本がごっそり消えてしまった。最も大きな損害を与えられたのは読者の皆さんだ、と佐藤秀峰氏は切りだしている。そして、こう言っている。

 

読者の信頼を回復するために自分にできることは何だろうか? そう考えた時、僕は「訴訟」という選択をしました。

 

2016年8月3日のサービス開始から、2017年4月3日にアマゾン本社に訴状を送るまで、その間に、キンドル・アンリミティッドに参加した出版社、作家に起こったこと、佐藤漫画製作所に起こったことを事実として継時的に明示している。

 

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Romancer版

『Kindle Unlimitedをめぐる訴訟について』

 

たった一人でこんなことをする「作家」っていただろうか? まず驚くのはここだ。 このまま巨像に弓をひく一人の漫画作家のままにしていていいのか? 誰も彼を支援しなくていいのだろうか? 少なくとも、私たちはこの訴訟の推移を注目するぐらいはしていきたい。

 

◎参考出典

Amazonを訴えてみた | 佐藤秀峰 | note

https://note.mu/shuho_sato/n/n88ae13abaf83