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藤永茂『オペ・おかめ』
「オペ・おかめ」とは、一体何なのでしょうか?
作品の魅力をお伝えします。
物語は、アメリカ大統領が会談の最中にハチドリ型ロボットに襲撃され、昏睡するところから始まります。
テレビ放映された衆人環視の、厚い警備の中での凶行。現場には「オペレーション・おかめ」(おかめ作戦)という謎の文字が残されていました。
この謎の言葉「オペ・おかめ」と、その背後に潜む生物型ロボットによる、どんな警備も無効化する要人暗殺計画を巡り、物語は進んでいきます。事件に関わるのは、心に傷を抱えた娼婦ジャンヌと対テロ組織に所属する科学者バート、そして東洋人の天才科学者ジョージ・シラトリ。謎めいたシラトリの真意が明かされていくにつれ、彼に深く惹かれていくジャンヌ。おかめの面に秘められた原爆の悲劇。そして、巨大な権力構造に対する虐げられた弱者たちの告発。
この小説は、シュワルツェネッガーのようなヒーローが活躍する話ではありません。美男美女が結ばれて終わる話でもありません。にもかかわらず、この小説は非常に衝撃的であり、弱きを助け強きをくじく英雄譚の基本に忠実でもある、愛と怒りの物語です。
本作の著者は、藤永茂さん。物理化学者の方です。
今回、藤永さんは、学術書『トーマス・クーン解体新書』と小説『オペ・おかめ』の2冊の本を出版しました。トーマス・クーンは知らなくても、彼の提唱した「パラダイム・シフト」という言葉に聞き覚えのある人はいるのではないでしょうか。
『オペ・おかめ』は、まさに人間の倫理のパラダイム・シフトを狙う野心作です。衝撃のラストを通して、人はいかに生き、なにと戦うべきなのかということへ、深い問いかけが投げかけられます。核の時代に生きる現代人必読の問題作です。