小説は時間をかけて作り上げるもの……とは限らない!
2017年2月4日(土)~5日(日)、日本で初めてのイベントが行われました。それは「たったの2日間で小説を完成させ、さらに販売まで行う」という非常に刺激的な内容……、その名もNovelJam(ノベルジャム)! 作家と編集者が顔を合わせ、その場でジャムセッション(即興演奏)のようにアドリブで作品を作り上げていくという新しい試みが東京・千代田区で行われました。
◆作家・藤井太洋さんによる講演。執筆のコツを伝授します。
当初は締切に間に合わない作品が出てくるのではないかという不安もありましたが、ふたを開けてみれば全17作品無事に完成! それどころか最終日の午後になると会場は和やかな雰囲気で余裕をもって締切を迎えることができました。作品は電子本化してそのままストアで販売。デジタルならではのスピード感は印象的でした。
◆制作風景。けっこう自由な雰囲気です。
最後は担当の編集者による作品のプレゼンが行われます。持ち時間の3分でいかに作品の魅力を伝えるか……。マイク一本で魅力を語る人、スライドを用意して視覚的に伝える人、はたまたギター一本で何もしゃべらずプレゼンを行う人まで! 2日間という短期間でも作品に愛着を持ち、その個性を伝えんとする姿勢は非常に見習うべきものがありました。完成した作品のリストはNovelJam公式ページで見ることができます。
◆プレゼンの様子。見入ってしまって写真がほとんどないです。
このイベントの面白いところはもう一つあります。それは最初のプロットから最終稿まで、すべてWeb上で公開していることです! 一つの作品がどのような経緯を経て完成していったのか、作家と編集者のやりとりが聞こえてくるような“生原稿”はこちらから見ることができます。これって結構貴重ですよ!
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小説制作の概念をまるごとひっくり返してしまうような刺激的なイベントだったNovelJam。決して「2日あれば小説は誰でも作れる」と言いたいわけではありませんが、“期限を決めて作品に取り組む”というのは案外モノづくりの基本かもしれません。
「なんとなく構想はあるけどまだいいか~」なんて考えているあなた! とりあえず2日間だけ取り組んでみたら意外と形になるかもしれませんよ?