紙の本を電子書籍化するには、どんな方法があるのでしょう?
スキャナーに本を伏せて、コピー機のように読み込む。あるいは、裁断してからスキャンする。あるいは、スマホでページを撮影する。
電子化には、唯一の王道はありません。すべての道が、電子化に通じるのです。多様な機械が開発され、また、電子書籍化の業者が登場してきました。
あるいは最初から、デジタルデータとして書かれ、スキャンという手続きを経ずして電子書籍として世に出ることになった、新しい世代の本も今では増えています。高名な作家の自筆原稿が博物館に収蔵されるようなことも少なくなりますが、そのかわりに人は電子書籍を得たのです。かぐわしいインクの万年筆で書かれた原稿を過去に置き去ることを代価として得たものは、在庫の心配をせずに気軽に出版できること。何百冊、何千冊の膨大な本をコンパクトな一つの端末に納め、誰もが荒俣宏や佐藤優のような膨大な書庫を手に入れる機会を得たことなのです。
しかし、裁断してしまうと、その本はもうバラバラになってしまいます。裁断はハサミやカッターで容易にできる作業でもありません。一ページ一ページを手でスキャンしていくのも、300ページ、400ページもある本の全部をやるのは、疲れるし時間がかかります。よりうまいやり方、より効率のよいやり方をつねに模索することが、電子書籍化には求められています。
そんな方法を模索する私達の前に、奇妙な機械が現れました。
それは、合体ロボットとも、大病院の精密機器ともつかない、迫力ある組み立て式のマシンでした。台の上に固定した本を、アームで次々とページをめくり、ファンとローラーで押さえたページを、機械とwi-fiで繋がったタブレットが次々と撮影していくのです。何百ページもある本が、またたく間に電子データと化し、しかも裁断も必要ありません。
撮影したデータは、トリミングで簡単に本文を整形。できあがったpdfファイルは、googleドライブのOCR化機能を使えば、専用のソフトをダウンロードしたりしなくても、簡単にテキストファイルに変えることができます。
この合体ロボットめいた機械こそが、カシオが開発し、発売開始したばかりの新しい電子書籍化支援システム・ブックターナーだったのです。
新時代にふさわしい、機能的で便利なツールに、私達の目はくぎづけになりました。日進月歩の世の中では、いずれさらに新しい電子化の手段が開発され、この機械も旧式化していくことがあるかもしれません。しかし当分は、ブックターナーはその力強いアームで電子書籍の新時代を切り開いていってくれることでしょう。
■電子書籍化支援システム BOOK TURNER(ブックターナー) | CASIO