壁に掛かった私たちの歴史

ちょっとばかり昔の話をさせてください。

1992年。電子書籍、そんな言葉なんてない時代にボイジャーは「電子のメディアを専門とする出版社を目指す」と宣言しました。ただ、出版社というのは言ったからできるというわけではありません。言うは易く行うは難し、まさにそんな状況です。92年当時はCD-ROM、フロッピーディスク…もうないですよね。こうしたものが電子のメディアでした。次から次へとハードが進化し、それに振り回される。今じゃかつての作品が読めないというわけです。なにが電子出版だ、そうも思いました。でもこの道を進んできたわけです。

 

時の流れはあっという間です。2016年9月27日(火)東京麻布の国際文化会館にて、日米のボイジャー創業者・ボブスタインと萩野正昭70歳感謝のつどいをおこないました。ふたりの生まれは戦争の終わった翌 1946年。戦後、そして復興。めまぐるしい変化と事件。メディアに翻弄された日々。まざまざと目撃した光景。すぎ去った時間と残された記憶のなかからデジタル出版へと至っていったお互いの歴史を振り返ったわけです。ここに1冊の電子本を紹介します。

 

 

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☆クリックすると本が開きます

 

生きていくということは老いというウェイトを背負ことです。歩みを進みたくても、若い頃のようにがむしゃらに前へ進み続けることは難しくなります。だから、書き残す。本がその役割を担っているのではないでしょうか。

自分たちの記憶や思い出。あるいは挫折の記録、事件。こうした記憶を社会に残していく、そういった人と力を合わせてボイジャーはこれからも進んでいこうと思います。