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伊集院大介登場作品(年代順)

はじめに

伊集院大介登場作品」では、長編、短編ごとに発行順に並べましたが、作中の年代は必ずしも発行順とは一致しません。このページでは、作中事件の年代順に並べてみました。しかし完全ではありません。たとえば大学生時代を扱った作品について、伊集院大介は「3つか4つ、大学のハシゴ」をしており、順番が未確定です。また各年代を特定できない場合は、短編は単行本の掲載順に、長編は発行順に並べています。お気づきの点はコメント欄にてご指摘をお待ちしています。

作中の事件は、回想として語られているものもあります。たとえば「早春の少年」は、大人になった及川徹が伊集院大介を訪ねてきて中学生時代(30年前)の回想となるので、作品には滝沢稔が登場しています。

年代の特定には、伊集院大介、森カオル、滝沢稔の年齢、山科正信の階級、ある事件から何年後、という記述を参考にしています。

更新履歴

  • 2017.8.20
    8.10〜8.18までのご意見を反映して一部順番を入れ替え
  • 2017.8.10
    検討版公開

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年代順作品リスト

  1. 早春の少年 伊集院大介の誕生
    (2001年01月31日 発行)
    伊集院大介の中学生時代の事件。中学生時代の同級生だった及川徹が訪ねてきて中学時代を回想する、という趣向のため伊集院大介事務所で助手として働く滝沢稔も登場する。
  2. 伊集院大介の初恋「伊集院大介の私生活」
    (「小説現代1985年3月号」)
    伊集院大介が高校生になったばかりの頃の事件。『猫目石』の事件で軽井沢のホテルに逗留中に大介の口から語られた事件であるため、聞き手として森カオル、山科正信も登場する。
  3. 青ひげ荘の殺人「伊集院大介の冒険」
    (「小説現代1981年2月号」)
    学生時代のアルバイトの回想。探偵としての活躍はしていないので大学時代に遭遇した最初の事件と仮定した。
  4. 伊集院大介の追憶「伊集院大介の私生活」
    (「小説現代1985年1月号」)
    伊集院大介の大学生時代。推理を披露しているのでこの位置と仮定。
  5. 伊集院大介の青春「伊集院大介の私生活」
    (「小説現代1985年6月号」)
    K大学在学中。1968年という記述あり。
  6. 青の時代 伊集院大介の薔薇
    (2001年01月31日 発行)
    「入り直した西北大学に在学中」という記述があるので、伊集院大介の大学時代。1973年という記述あり。これも回想によるものなので、伊集院大介が竜崎晶の楽屋を訪れるというシーンがある。
  7. 優しい密室
    (1981年01月31日 発行)
    伊集院大介24歳の頃なので、大学時代の後半に位置すると想定。この時点で森カオルは17歳。
  8. 伊集院大介の失敗「伊集院大介の私生活」
    (「小説現代1985年10月号」)
    作中で森カオルが語る内容から『優しい密室』と『絃の聖域』の間に位置する。これも回想であるため森カオル登場。
  9. 絃の聖域
    (1980年08月10日 発行)
    『伊集院大介の失敗』によると26〜28歳の時期。
  10. 顔のない街「伊集院大介の新冒険」
    (「小説現代1992年6月号別冊」)
    滝沢稔が10歳。竜崎晶と滝沢稔では滝沢稔が1歳上。天狼星事件最終章で伊集院大介が竜崎晶と出会った時の晶の年齢は15歳とすればその当時の滝沢稔の年齢は16歳。その6年前とすると天狼星事件序章(ファッションモデル連続殺人事件)の3年前くらいの時期。
  11. ごく平凡な殺人「伊集院大介の新冒険」
    (「小説現代1992年8月号」)
    滝沢稔が10歳。すでに滝沢稔と伊集院大介は知り合っているので『顔のない街』の少し後。
  12. 鬼面の研究
    (1981年11月30日 発行)
    『優しい密室』から10年近くが経過。伊集院大介34歳? 当時高校生だった森カオルが、ミステリ作家として活躍しているのでこの時期と想定。
  13. 殺された幽霊「伊集院大介の冒険」
    (「小説現代1982年4月号」)
    山科正信が警部補であり、伊集院大介と懇意にしているのでこの時期と想定。
  14. 袋小路の死神「伊集院大介の冒険」
    (「小説新潮1981年6月号」)
    山科正信が警部になっているのでこの時期と想定。
  15. ガンクラブ・チェックを着た男「十二ヶ月/伊集院大介の冒険」
    (「小説新潮1982年10月号」)
    伊集院大介が探偵事務所を開設してすぐの事件。
  16. 獅子は死んだ「伊集院大介の冒険」
    (「小説現代1983年10月号」)
  17. 鬼の居ぬ間の殺人「伊集院大介の冒険」
    (「小説現代1984年3月号」)
  18. 誰かを早死にさせる方法「伊集院大介の冒険」
    (「小説現代1984年5月号」)
  19. 猫目石
    (1984年11月05日 発行)
    栗本薫28〜29歳。『伊集院大介の初恋』で語られている内容から、短編集『伊集院大介の私生活』の事件の後半に仮定。
  20. 伊集院大介の一日「伊集院大介の私生活」
    (「小説新潮1985年2月号」)
  21. 伊集院大介の私生活「伊集院大介の私生活」
    (「小説現代1985年8月号」)
  22. 事実より奇なり「伊集院大介の新冒険」
    (「小説現代1992年6月号」)
    「事実より奇なり」は、事件そのものはここで大介が語る5年前、それなりに名前が知られている頃だけど日本舞踊の名手の話が出てきて、なのに芳沢胡蝶の話が出ない(芳沢胡蝶ではない「胡蝶の陥穽」という小説名が出てくる)のですくなくとも『天狼星Ⅱ』の前でしょう。
    (姫さん より)
  23. 樹霊の塔 伊集院大介の聖域
    (2007年12月20日 発行)
    森カオルが結婚して松之原姓になる物語。『天狼星Ⅱ』では松之原姓になっているのでその前。『天狼星Ⅱ』で「新婚ホヤホヤ」という記述から、結婚1年未満と考えると『天狼星』の後になる。しかしそれなら『樹霊の塔』の中で天狼星の事件のことに何一つ言及がないことは気になるので『天狼星』の前の時期と想定した。(店長)
    『天狼星』で田宮怜がはじめて伊集院大介探偵事務所を訪れた時、「松之原家の事件」を解決した話題が出てます。これは『樹霊の塔』の事件でしょうから、『樹霊の塔』→『天狼星』で問題ないと思います。
    (石森さん より)
  24. 天狼星
    (1986年06月30日 発行)
  25. 天狼星Ⅱ
    (1987年11月16日 発行)
    『天狼星』でシリウスが姿を消してから約1年後。その正月に「新婚ホヤホヤ」の松之原夫妻が登場する。(店長)
    『天狼星』の途中「森カオル、山科祥子、松之原まつゐ」という名前が出てきます。旧姓で呼んでいる可能性は否定しませんが『樹霊の塔』では結婚までは書かれてないので、『樹霊の塔』での事件は『天狼星』の前、入籍は『天狼星』のあとかも知れませんね。そうすれば『天狼星Ⅱ』で「新婚ホヤホヤ」という記述も矛盾しませんよ。
    (石森さん より)
  26. 天狼星Ⅲ 蝶の墓
    (1993年03月30日 発行)
  27. 伊集院大介の追跡「伊集院大介最後の推理
    (「小説現代1989年3月号」)
    天狼星事件で傷心の伊集院大介が失踪中の物語。
  28. 奇妙な果実「伊集院大介の新冒険」
    (「小説現代1993年4月号」)
    『伊集院大介の新冒険』で滝沢稔と田宮怜が出てこない「事実より奇なり」「奇妙な果実」「星のない男」「ピクニック」は特定材料がほとんどないですね。登場人物の年齢についても「星のない男」で山科警視のことを「中年になってもまだ十分にハンサム」と中年であることはわかっても幅がありすぎます。少年時代の滝沢稔が出てきてるけど助手になっているようには書かれていないので『仮面舞踏会』と同時期でもいいかもしれない。そうすると田宮怜の出てくる「盗癖のある女」と同じ時期の話としてまとめられませんか?
    (かおりさん より)
  29. 盗癖のある女「伊集院大介の新冒険」
    (「小説現代1993年6月号」)
    田宮怜のステージの観覧に来ている。田宮怜と知り合ったのは天狼星事件で、その後伊集院大介は失踪しているので帰還後のこの時期。
    →松田さんの指摘により『仮面舞踏会』の直前に移動。
  30. ピクニック「伊集院大介の新冒険」
    (「小説現代1994年1月号」)
    仮面舞踏会(以降[仮])と魔女のソナタ(以降[魔])で時期を考察すると
    (1)[魔]ユラ自殺?
    (2)[仮]女子大生刺殺事件
    (3)[仮]スナック滝沢で滝沢ママと大介遭遇、そのまま六本木の店へ
    (4)[魔]その店で藤島樹が大介を見つける
    (5)[仮](4)のあと、滝沢稔と大介再開
    (6)[仮]事件解決
    (7)[魔](4)の1週間後、樹が大介に事件依頼
    (8)[魔]事件解決
    (7)の時に樹がした田宮怜の話で「盗癖のある女」は(3)よりは前ではないかと推測できる。「盗癖のある女」「事実より奇なり」「奇妙な果実」「星のない男」「ピクニック」は『仮面舞踏会』の直前ということでいいのではないだろうか。
    (松田さん より)
  31. 仮面舞踏会 伊集院大介の帰還
    (1995年04月12日 発行)
    疾走していた伊集院大介が帰還。浪人中(19歳?)の滝沢稔=アトムくんと再会。滝沢稔の年齢から『天狼星Ⅲ 蝶の墓』の3年後。
  32. 魔女のソナタ 伊集院大介の洞察
    (1995年10月14日 発行)
    『滝沢』のママ(=滝沢稔の母)と一緒にいたところを藤島樹が見かけたところから物語がはじまるので『仮面舞踏会』と同時期。
  33. 星のない男「伊集院大介の新冒険」
    (「小説現代1993年8月号」)
  34. 間の悪い男「伊集院大介最後の推理
    (「小説現代1996年10月号」)
    伊庭緑郎がワトソンを気取っており、滝沢稔が助手になりたての時期なので『新・天狼星 ヴァンパイア』よりも前と想定。
  35. 新・天狼星 ヴァンパイア 恐怖の章
    (1997年02月24日 発行)
    竜崎晶が20歳なので、滝沢稔は21歳。『天狼星Ⅲ 蝶の墓』から5年後、『仮面舞踏会』から2年後。
  36. 新・天狼星 ヴァンパイア 異形の章
    (1997年04月10日 発行)
  37. 真・天狼星 ゾディアック 1
    (1998年01月20日 発行)
    『新・天狼星 ヴァンパイア』と同一事件を別視点で描いているので時期は同一。
  38. 真・天狼星 ゾディアック 2
    (1998年02月20日 発行)
  39. 真・天狼星 ゾディアック 3
    (1998年03月20日 発行)
  40. 真・天狼星 ゾディアック 4
    (1998年04月20日 発行)
  41. 真・天狼星 ゾディアック 5
    (1998年05月20日 発行)
  42. 真・天狼星 ゾディアック 6
    (1998年06月20日 発行)
  43. タナトス・ゲーム 伊集院大介の世紀末
    (1999年07月26日 発行)
    滝沢稔21歳なので『真・天狼星ゾディアック 6』の1年以内。山科正信の階級は警視。
  44. 殺怪獣事件「伊集院大介最後の推理
    (「野生時代1994年3月号」)
    『怒りをこめてふりかえれ』の一連の事件の最中に、栗本薫と伊集院大介が8年半ぶりに再会。この時期に山科正信が(一時的にとはいえ)長年の無理がたたって退職している。「無理がたたって退職」から復帰してから「新・天狼星 ヴァンパイア」事件は少し気の毒ではないだろうか? それよりも「タナトス・ゲーム」後に退職、その後復職するも直接事件にはタッチしないポジションとなり、順当に出世していったと推測し、この時期とした。
  45. 怒りをこめてふりかえれ
    (1996年05月20日 発行)
    『殺怪獣事件』がこの事件の進行中に発生しているので、この時期に仮定。
  46. 月光座-金田一耕助へのオマージュ-
    (2005年05月25日 発行)
  47. 水曜日のジゴロ 伊集院大介の探究
    (2002年12月20日 発行)
    この時点で山科正信が警視総監になっている。
  48. 真夜中のユニコーン 伊集院大介の休日
    (2003年09月20日 発行)
  49. 身も心も 伊集院大介のアドリブ
    (2004年08月01日 発行)
  50. 聖者の行進 伊集院大介のクリスマス
    (2004年12月16日 発行)
  51. 陽気な幽霊 伊集院大介の観光案内
    (2005年05月30日 発行)
  52. 女郎蜘蛛 伊集院大介と幻の友禅
    (2005年12月20日 発行)
  53. 逃げ出した死体 伊集院大介と少年探偵
    (2006年12月20日 発行)
  54. グルメ恐怖症「第六の大罪 伊集院大介の飽食」
    (2006年08月31日 発行)
  55. 食べたい貴方「第六の大罪 伊集院大介の飽食」
    (2006年08月31日 発行)
  56. 芥子沢平吉の情熱「第六の大罪 伊集院大介の飽食」
    (2006年08月31日 発行)
  57. 地上最凶の御馳走「第六の大罪 伊集院大介の飽食」
    (2006年08月31日 発行)
  58. 六月の桜 伊集院大介のレクイエム
    (2007年06月28日 発行)
  59. 木蓮荘綺譚 伊集院大介の不思議な旅
    (2008年06月25日 発行)
    伊集院大介40代。
  60. 誰でもない男 伊集院大介の秋思「伊集院大介最後の推理
    (『幻影城の時代 完全版』2008年12月15日)

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投稿日:2017年8月10日 更新日:


  1. かおり より:

    『伊集院大介の新冒険』で滝沢稔と田宮怜が出てこない「事実より奇なり」「奇妙な果実」「星のない男」「ピクニック」は特定材料がほとんどないですね。登場人物の年齢についても「星のない男」で山科警視のことを「中年になってもまだ十分にハンサム」と中年であることはわかっても幅がありすぎます。少年時代の滝沢稔が出てきてるけど助手になっているようには書かれていないので『仮面舞踏会』と同時期でもいいかもしれない。そうすると田宮怜の出てくる「盗癖のある女」と同じ時期の話としてまとめられませんか?

    • 松田 より:

      かおりさんに+1
      細かいこと言うと、魔女のソナタより前か後かなんですが、これ、作中事件の発生時期じゃなくて、解決時期ってことでいいですよね?

      • 店長 より:

        > 松田さん
        解決時期とまで限定していませんが、伊集院大介が関わった時期くらいの意図です。画面舞踏会と魔女のソナタは、同時進行だったので、解決時期で並べました。

    • 店長 より:

      > かおりさん
      店長こと小池と申します。
      私もそんな気がしてきました。

  2. 松田 より:

    では同時進行は解決時期ということで、仮面舞踏会(以降[仮])と魔女のソナタ(以降[魔])で時期を考察すると
    (1)[魔]ユラ自殺?
    (2)[仮]女子大生刺殺事件
    (3)[仮]スナック滝沢で滝沢ママと大介遭遇、そのまま六本木の店へ
    (4)[魔]その店で藤島樹が大介を見つける
    (5)[仮](4)のあと、滝沢稔と大介再開
    (6)[仮]事件解決
    (7)[魔](4)の1週間後、樹が大介に事件依頼
    (8)[魔]事件解決

    (7)の時に樹がした田宮怜の話で「盗癖のある女」は(3)よりは前ではないかと推測できる。「盗癖のある女」「事実より奇なり」「奇妙な果実」「星のない男」「ピクニック」は『仮面舞踏会』の直前ということでいいのではないだろうか。

    • より:

      混ぜ返してすみません。『伊集院大介の新冒険』での「盗癖のある女」「事実より奇なり」「奇妙な果実」「星のない男」「ピクニック」の中で「星のない男」にだけ山科警視がでてきます。失踪後、日本にもどってきて『仮面舞踏会』でアトムくんと再開するまで潜伏していたわけではないでしょうけれど、本格的に探偵業を再会してたわけじゃないと思うんですよ。だから「星のない男」は『魔女のソナタ』の後でもいいのではないでしょうか。
      「事実より奇なり」は、事件そのものはここで大介が語る5年前、それなりに名前が知られている頃だけど日本舞踊の名手の話が出てきて、なのに芳沢胡蝶の話が出ない(芳沢胡蝶ではない「胡蝶の陥穽」という小説名が出てくる)のですくなくとも『天狼星Ⅱ』の前でしょう。

  3. 石森 より:

    『天狼星』で田宮怜がはじめて伊集院大介探偵事務所を訪れた時、「松之原家の事件」を解決した話題が出てます。これは『樹霊の塔』の事件でしょうから、『樹霊の塔』→『天狼星』で問題ないと思います。
    (石森信が大好きので石森を名乗らせていただきます)

    • 店長 より:

      > 石森さん
      確かに書いてますね。次の更新時にそのこと追記します。

    • 店長 より:

      私も石森信大好きですよ。ぼくら三部作、猫目石、怒りをこめてふりかえれ、と信がいてくれてよかった。

  4. 石森 より:

    で、その「松之原家の事件」で助けた田宮怜の知り合いというのは明示されていません。候補としては、大原(若い編集者)くらいだけですが大原と田宮怜が知り合いというのが想像つかない。

    • 店長 より:

      田宮怜の「私の知りあいを、助けて下さったというじゃありませんか」に対して「たしかに、そう云って云えないことはないでしょうね」という微妙な言い回し。普通「助けた」と言えば、命の危機から救った、濡れ衣をはらした、なんですが、この微妙な言い回しからすると「殺されてしまったけど名誉は守ったと云えなくもない」ってのも含まれそうだから、被害者の二人(さすがに名前を出すのはネタバレになるからNGでしょう)の可能性もあるかもしれないですね。

  5. philo より:

    はじめまして。
    『絃の聖域』をいま読んでいるところです。
    途中まで読みましたが、とても読みごたえを感じます。
    登場人物たちの濃密な情念や複雑にからまった愛憎が印象的ですが、とりわけ自分が興味を引いたのは、女王のような八重から男妾のように扱われる弥三郎と、容貌の醜さゆえに妻から嫌悪される喜之助の、二人の男の屈辱と鬱屈でした。
    自分自身も、自分に自信のもてない面があるせいか、二人にとても共感してしまいました。著者は女性でありながら、ここまで男性の微細な心理を描けるのが凄いと思います。
    こうして見ると、やはり栗本作品の心理描写は素晴らしいと感じます。
    他の作品もどんな人物が出るのか楽しみです。

    • 店長 より:

      私の初伊集院大介が『絃の聖域』でした。電子で読むと厚さがわかりにくいのですが、本来は文庫本上下巻の厚みなのでかなりのボリュームです。
      半分宣伝になりますが「十二ヶ月 栗本薫バラエティ劇場」はジャンルの違う12種類の短編集ですので、いろんな人物が出てきます。
      栗本先生は、伊集院大介シリーズに限定しても、やおい、レズものからホラーチック、ユーモア、本格推理とふれ幅が大きいので、レビューが極端になる傾向もありますね。

  6. 石森 より:

    『天狼星』読了。途中「森カオル、山科祥子、松之原まつゐ」という名前が出てきます。旧姓で呼んでいる可能性は否定しませんが『樹霊の塔』では結婚までは書かれてないので、『樹霊の塔』での事件は『天狼星』の前、入籍は『天狼星』のあとかも知れませんね。そうすれば『天狼星Ⅱ』で「新婚ホヤホヤ」という記述も矛盾しませんよ。

  7. 石森 より:

    『猫目石』を読み返していたら、森カオルが『樹霊の塔』事件について、東京に帰ったら書きたいって言ってますね。
    順番としては、『樹霊の塔』のほうが『猫目石』よりも前ですね。
    でもそうすると1984年発行の『猫目石』の時期に、『樹霊の塔』の構想はあって、それが実際に発行されたのが2007年って。

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